ラスボスの毒鑑別士になります
あらすじ
善良で平凡な会社員だったのに、ある日、仕事帰りに事故に遭い、小説『毒りんご』の世界の人物に憑依してしまう。 それも絞首刑に処される日を待ちながら、毒殺でこの世を去る悪女ジゼル・ロイズビンの体に! ところが、次々にやってくる暗殺者たちの毒が通じない?それどころかりんごの味がするんだけど! そんな獄中生活にも飽きてきたある日現れた、怪しい1人の男、レニアル。 どうせ少々頭のおかしい暗殺者だろうと思った彼はなんと、実は小説のラスボスである、ウェイン・アイオレの手先だった。 この命綱をたぐり寄せるため、私はラスボスの最期を切り札にすることにした。 「私は毒の味を区別することができます」 「毒の味?それがなんの役に立つんだ?」 「あなたの上司は毒殺されます。私なら毒鑑別士になれます」 そうやってラスボスの手先(?)が経営する雑貨店に就職し、これで生き残れると思ったのに…… 「うちの社長はどう考えても、ちょっと異常に強過ぎる!」 もしかしたら、今度の人生も詰んだかも……。